刺身の盛り付け方

刺身の盛り付け方の原則に、
奇数でまとめる。という決まり事があります。
例えば、
ブリと真鯛のお刺身を
盛り合わせにしてお皿に並べるとします。
最初に行うのは、
主役と脇役の配役を決めること。
仮に今回は、
主役→ブリ
脇役→真鯛
に、決定するとします。
刺身の枚数は、
奇数でまとめるのが基本なので
小皿に5枚、並べることに。
主役はブリなのでブリが3枚、
脇役の真鯛は、主役より少ない2枚。
合計5枚を切りつけて盛りつけます。
ちなみに、わさびをお皿に盛りつける場合には
食べる人の聞き手側に。
右利きの人が多いので、
基本的には右側に添えるものだとされています。
ツマを最初にお皿に並べて、
ツマに立て掛けるように主役(ブリ)、
それから手前に脇役の順に並べます。
主従がわかるように
盛り付けるのがポイントなので
主役のブリを縦に並べた場合には
脇役の真鯛はブリより手前に
横向きにして添えるように盛り付けます。
主従を表現しながら、
“左から右に&奥側から手前”
に流れを意識するのがポイント。
器に余白を意識して、
自然の景色が織りなす美しさを模すように
高低差をつけるのがコツだと言われています。
奥側は高く盛り付けて、
手前側は奥より低く並べていく。
その高低差が立体感を生むポイントになります。
最後に色味などを考慮して、
その他の季節のあしらいや、
ワサビなどを添えて完成です。
刺身。
その名も「切るだけの料理」でありますが、
食べやすさ・見た目の美しさを考慮して
生み出されてきたルールには
奥深いものがあります。
しかし。
当店が提供するのは、あくまでご家庭でのお刺身。
「おうち刺身」は、堅苦しいのは厳禁!
なのであります。
奇数、偶数関係なく(汗)。
食べたい量を、
食べたいお皿に、
食べたいように盛り付けて。
何より大切なのは、
海からの恵み、生産者の思いを乗せて
大切にお届けした魚達を
おいしく食べて頂く。
大事なのは、その1点のみ!
に、尽きるのであります。